「江刺甚句まつり」のねらいと目的

 これまで「江刺甚句まつり」は、区民の一体化と賑わいと元気づくりの核となっており、コミュニティ意識の醸成に大きな役割を果たしてきました。住民総出で準備し創り上げる協同作業で生まれる連帯感やエネルギーが地域の活力を生み出し、そこで育まれる信頼が新たな地域の良好な人間関係を築いています。 中心市街地の活性化が叫ばれる中にあって、街中に活気を取り戻すためには、集客を図って賑わいを創出し、交流により町を活性化させるとともに、地域住民の「共生」を図ることが重要となっています。
 そのために、藤原文化発祥の地として、古い伝統と歴史の掘り起こしから生まれ変わったこの「江刺甚句まつり」を奥州市江刺区最大のイベントとして位置づけ、以下のことを目的としてまつりを開催しています。
 (1) 区民総参加によるコミュニケーションを図り、新しいコミュニティの創造を図る。
 (2)歴史公園えさし藤原の郷を拠点とした市内の観光開発を図る。   
 (3)蔵町モールを活用した中心市街地の活性化を図る。

これまでの取り組みの経過と伝承体制

 奥州藤原文化発祥の地、奥州市江刺区の一大観光行事である「江刺甚句まつり」は、昭和49年から「見るまつりから参加するまつりへ」をキャッチフレーズに新しいまつりとして地域の振興と活性化をねらいに毎年5月3日~4日の2日間、盛大に開催しています。
 古くは火防祭を起源に、現在では長い伝統をもつ「江刺甚句」を基調にしたまつりに新しく再編され、年々多彩なイベントを展開しています。この間、昭和52年には屋台収蔵庫の建設、昭和57年には江刺甚句まつり保存会の結成、さらには江刺鹿踊の組織化に伴い全団体が一同に会して踊る「江刺百鹿大群舞」の完成などまつりを側面からも盛り上げる体制も整えられました。
 また、まつりの主役である42歳、25歳の年祝連を中心として各年代連の連携も、30年以上を経過した現在でも揺るぎないものとして伝承されて今日に至っています。     
 平成25年で第40回を迎える江刺甚句まつりも、これまでの伝統を引き継ぎながら、年祝連や町内屋台を中心として多彩なイベントを展開しました。この他「歴史公園えさし藤原の郷」や「えさし郷土文化館」「明治記念館」「菊田一夫記念館」「蔵町モール」などを中心とした観光施設との連携を図って、江刺甚句まつりが開催される5月の連休期間中に奥州市江刺区へ多くの観光客の回遊を目指しました。